分子細胞生物学

PubMedID 28965816
Title Tetherin Suppresses Type I Interferon Signaling by Targeting MAVS for NDP52-Mediated Selective Autophagic Degradation in Human Cells.
Journal Molecular cell 2017 Sep;():.
Author Jin S,Tian S,Luo M,Xie W,Liu T,Duan T,Wu Y,Cui J
  • K27ポリユビキチン鎖が選択的オートファジーの引き金になる
  • Posted by 大阪市立大学大学院医学研究科分子病態学 徳永 文稔
  • 投稿日 2017/10/11

本論文は、インターフェロン誘導性抗ウイルス因子として知られるTetherin(BST2/CD317)が、実際にはインターフェロン産生経路中のMAVSを分解に導く、抑制因子であることを見出しています。著者らは、①TetherinがRIG-Iによって感知されるRNAウイルス誘導性インターフェロン産生経路は抑制するが、cGAS系など侵入DNAによるインターフェロン産生は抑制しないこと、②TetherinはMAVSをオートファジー分解系へ導くこと、③この過程で、MAVSはMARCH8ユビキチンリガーゼによってK27ユビキチン鎖を付加され、これをオートファジーのアダプター分子のうちNDP52がC末端LIMドメインを介して結合すること、④MAVSのユビキチン化部位はLys7であること、を見出しています。
筆者らは中国広東省の中山大学グループで、細胞レベルでの解析ですが、膨大な量をキッチリやっています。また、昨年もMol. Cellにユビキチン系とオートファジー、自然免疫(cGAS分解)連関の論文を出しており(Mol Cell 64, 105, 2016)、めざましい活躍と思います。

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