文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28年度~平成32年度
PubMedID | 30071751 |
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Title | High-Throughput Screening for Linear Ubiquitin Chain Assembly Complex (LUBAC) Selective Inhibitors Using Homogenous Time-Resolved Fluorescence (HTRF)-Based Assay System. |
Journal | SLAS discovery : advancing life sciences R & D 2018 Dec;23(10):1018-1029. |
Author | Katsuya K,Hori Y,Oikawa D,Yamamoto T,Umetani K,Urashima T,Kinoshita T,Ayukawa K,Tokunaga F,Tamaru M |
ユビキチンのN末端を介した特殊な連結様式により形成される「直鎖状ユビキチン鎖」は、NF-kBなどの炎症シグナルや細胞死を制御するユニークかつ希少なユビキチン修飾として、近年、大きな注目を集めている。この直鎖状ユビキチンを生成する唯一のE3複合体として、HOIL-1L、HOIP、SHARPINからなるLUBAC(linear ubiquitin chain assembly complex)が同定されている。LUBACの機能不全は、皮膚炎やB細胞リンパ腫を含む多様な疾患と密接に関連することから、新たな創薬ターゲットとしても注目される。
今回私たちは、25万化合物ライブラリーからpetit-LUBACによる直鎖状ユビキチン産生阻害活性を持つ化合物をHTRF法によって探索し、候補化合物としてsodium 2-[(1E)-3-(2-methoxyphenyl)-3- oxoprop-1-en-1yl]benzonate(JTP-0819958)を同定した。当該化合物は、細胞レベルにおいてもLUBAC過剰発現に伴う直鎖状ユビキチン産生を阻害し、さらに、TNFa刺激に伴うNF-kBシグナルの活性化も濃度依存的に抑制した。
現在、当該化合物によるLUBAC活性阻害の詳細な分子基盤の解明や、関連するシグナル経路の探索を細胞・動物個体レベルで進め、さらに、より高い阻害活性を備えた新規化合物の探索も進めている。
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